ちゃぷん! 「全く釣れないな」釣り竿をかざしながらため息をつく理人 理人 理緒 隆太の三人は食糧調達のために魚を釣りに港まで来ていた。 「つれないな~」理緒はむす!!とした顔で釣り竿をかざしている。 「しかたねぇなー場所変えようぜ」「他にもポイントがあるんだ案内するぜ」 隆太はそういうと立ち上がり二人を次の釣りのポイントに案内する 食糧不足を少しでも解消するため彼らは魚を釣って何とかしようとしていたのである。しかし、全く釣れず苦戦中である。 早朝の事である隆太が昼食に関して話し出したのである。「兄ちゃんのシチューも好きだけどよやはりそれだけでは栄養バランスも偏るからよ」 隆太の言うことは間違いわない。理人が学校に転校してきてからはほとんど昼食は野菜と果物と理人が作ったシチューである。 理人が来る前は、那智が食事を提供していたが彼女が亡くなってしまったため今現在は自給自足で飢えをしのいでいる状態である。 3人は場所を変えて再び釣り竿をがさす 「ち...まったく釣れないな...」隆太は完全にふてくされて釣りに集中できないでいる 「...ぴくん!あ逃げられた」理緒は隆太とは違い真面目に釣りをしているようだが餌ごと持っていかれているようだ。 「...........」理人は完全に無表情で釣り竿をかざしている。たったいま餌を取り換えるようであるこれで本日10回目の餌の交換 「ダメだ釣れない」 「兄ちゃん眼が死んだ魚の目みたいになってるぜ」 「理人ッちいろいろ物知りでコンピューターには強いけどこういうことは苦手だよね」「すまない....俺は力仕事とかこういうたぐいなものは本当に苦手なのだ」頭を抱えて悩みだす理人 二人の言うとおりである理人は非常に頭もよく物知りで料理なども得意ではあるが、力仕事は苦手で非力なのである。 このところは前回の人生でも同じであった。 前回の世界での彼の人生の小中高生時代の彼の成績は学年およびクラスでもトップクラス。特に高校時代ではコンピューター関連の成績は3年間を通し学年トップであった。キーボウト早打ち検定を最上級の物を会得したほどである。 しかしそんな彼も完ぺきでは無かった。 「......今回も体育の成績は、耳(3)か......(ちなみに成績表は5段階)」しかもそれだけではなく
「ふう......」理人は屋敷にある大浴場で湯につかっている。 めちゃくちゃでかい風呂場だ。立派な銅像みたいなものからお湯が出てきて浴室に湯が入る構造となっている。 「はぁ....」いい湯だ...これは快適だ... それにしてもほんとよくできた浴場だ。前の人生ではこんな快適な暮らしマジで想像できなかった。 ........... それにしてもどうしたらいいもんやら...このままでは学校の生徒のほとんどが皆飢え死にだ。 俺はこの世界に転移してきてまだ日が浅いけど、だけどみんないいやつらだ。 誰も苦しんでほしくない.... 「俺たちには助けてもらう資格なんて無いんだぜ」経った今、隆太が言っていた事が理人の脳裏に浮かんだ 何が資格なんだ?お前は何も悪いことしていない。 誰も悪いことなんてしてない。 くそ!!転移する時期がズレさえしなければこんな事にはならなかった。少なくとも美香が無事でいてくれれば少しは話しが違ったかもしれない。 浴場を後にした理人はその後、美亜といつも通り晩食の時間にする。 ちなみに今日はカレーだ。学校でもらったリンゴを使った甘いカレーである。何でもないこんなただの夕食の時間ですら俺にとっては幸せに思える時間である。 俺は本当に彼女を美亜が大好きなんだ。 「兄ちゃんよぉ、いきなりは無理だと思うけどよちゃんと現実受け止めようぜ」そういうと隆太は理人の背中を手にする 「さっきも言ったが美香は生きてる、皆そう信じてるからさ」「兄ちゃんがそれじゃ駄目だぜ」 つぅ....-----。 俺はこんな時に何を考えてーーーーーーーー。かちーん。手にしていたスプーンが手のひらから落ちてしまった。 「大丈夫、すぐ会えるさ」 そう言うと理人は美香の手を握る「私はお兄ちゃんと同じ時を過ごす」 「そのためにほんの少しのお別れです」あ...あ...ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!違う俺は.....!! 「理人さん....?理人さんしっかり!!」理人が急に精神的に錯乱状態になったため美亜は理人に駆け寄り落ち着かせようと声をかけ続けている 明けない夜明けなど存在するはずがないのだから。大切なのは心、そして退かぬ(ひかぬ)想いだ。 婆ちゃん俺には難しいよ。無理だよ、俺たちだけ幸福に過ごしていくなんて不公平
理人と美亜は、もどかしい気持ちを胸に抱きながら学校に通い続けた。奏花 隆太 理緒の三人は今まで通り二人の良き友として接し続け、美香の捜索にも積極的にかかわり続けた。理人はいろいろとノイローゼとなっていた。美亜への気持ちと美香への想いに板挟みとなり悩みを抱えていた。そして先日の隆太たちへの自分勝手な想いをぶちまけてしまった事。彼は何も悪いことはしていないし悪いことを言ったわけではない。そう誰も悪くはないのである。理人はこの一連の出来事を忘れようとした。これからもみんなと一緒にいたかったからだ。そうしなければならなかった。それが「彼ら」にとって一番良い選択なのだ。一連の騒ぎは時間が経つにつれて糸がほどくように周囲の記憶から別れ去られていった。しかし、それでも理人自身の優しさをけして彼らは忘れることはなかった。そして数日がたった.......。理人 隆太 理緒の三人は、暇な時間は釣りをして食糧調達をするのがここ最近の日課となっている。だいぶ慣れたのか、一日で数匹釣れることもあるほど上達した。「お!!今日の中では一番、大物でレアものだぜ」スズキ キダイ アジ 鯛。さきほど隆太が言っていた大物でレアものとは鯛の事である。結構な量が釣れた。学校に存在する3つの噴水のうち一個は海と繋がっているため海水が出てきているそこに放流すれば生きたまま保管できる。これで数日分の食糧となる。こんばんは大量に釣れたため晩食は学校でみんなで食べる事となった。「ふふ...この鯛を美味しく料理しさばいて見せよう」理人は得意な料理のテクニックを披露するときが来た(あくまで趣味で家庭的に身に着けていた模様)まずは豪快に鯛をさばきお刺身にそして、残った部分は出汁と野菜で煮込み特性鯛汁の完成である。とくに鯛汁はなんの調味料も一切使用していない文字通り鯛そのもののダシと野菜だけで作ったのである。「す...すげぇ...理人ッち...まるでプロの料理人みたい」理緒がびっくりするのも無理はないだろうこの限られた食材でここまでやってのけたのだから「兄ちゃん、コンピューターの操作しか取り柄が無いと思っていたぜ」「あとピアノも弾けるよ」「兄ちゃんマジか?」これも趣味で始めたものである、ちなみにこれも趣味で始めたもの。彼が得意とする曲は「戦場のクリスマス」。「
隆太は理人の師事を受ける形でパソコンやそれらに関わる技術を教わり始めた。まずはキーボウドの日本語入力の操作から始める事となった。彼のセンスは目覚ましくたった二日で日本語入力をマスターするにまで上達した。 隆太のその行動に興味を示した理緒も理人に師事を受ける形でPCの操作など学び様々なテクノロジーに興味を示す事となった。二人はメキメキと技術的な操作を覚えるまでに上達した。「これは面白い彼らはなかなかの逸材かもしれない」 理人はすごく楽しくてしょうがなかった。彼らに教えれば教えるほどその技術を物にしていく。 理人が二人に教えはじめ一週間が過ぎた頃だ。隆太は美香の行方を探す過程で学校の校長室のパソコンを調べていた。「なんだこれは.......」隆太は見るからに怪しいデーターファイルを見つけた。 データーファイルは「シンギュラリティー(技術的特異点)」「見るからにやばい匂いがするじゃん!!に!!にいちゃーーん」 彼らに奇妙な事象が今舞い降り始めた。隆太からのSOSにかけつけた理人は校長室にあった那智のパソコンからデーターを画面上に出し始める。 美亜と理緒、更に奏花も駆け付けた「間違いないこれは婆ちゃんが残したデーターだ」 ネヴァーアイランドの自給自足プログラムを促進する形で開発が進められた人工知能AIの完成に成功。ネヴァーランドのマザー端末にインストールに成功。 しかし器となる存在の端末ががいまだに完成していない。そもそもこの端末では人工知能AIを補うことは不可能。 様々な過程を駆使し私たちはこのシステムを完成させるべく試行錯誤巧み観た。その結果とんでもない事実が判明した。このシステムはシンギュラリティー(技術的特異点)その者であった。 私達が元いた場所で得た情報とプロセスを元に造られたそれは、人類が手にしてはならない領域「シンギュラリティー(技術的特異点)」だった。しかも我々が完成させたシンギュラリティー(技術的特異点)はあくまで複製体であることが判明した。アメリカのとある研究者が作り出したその存在の情報を元につくりだしたそれが複製体として我々は完成させてしまったのだ。 これは危険だ人が手にしてはならない。 シンギュラリティー(技術的特異点)はまだ完全には覚醒しておらず眠った状態である。端末ごとブロックをかけ我々は封印す
ついに尻尾を掴んだ。婆ちゃんと行動を共にしていた研究者たちを見つけ出す。今の彼らにとっては有力な手掛かりと情報だあれだけのプロジェクトを動かしていたのだ研究者は複数いるはずだ。もし彼らが美香を拉致しているようなことがあれば俺は.....「おい兄ちゃん顔が怖いぜ....」「無理もないよ美香ッちが危険な目に合っている可能性があるんだからね。」理人は尋常ではない殺気に満ちた表情を見せ仲間たちは困惑している。(俺は35年間も我慢してきたんだ...)彼がこうなるのも仕方がない理人は美香と人生をやり直すために35年間も我慢してきたのだ。自分たちの人生がよくわからない連中に滅茶苦茶にされたとなればたまったものではないからだ「理人君、絶対に一人で勝手に行動するのは禁止だよ?奏花はただならぬ嫌な予感がした。いつもさっぱりとクールに振舞っている理人はいつもと違って殺気に満ちたオーラが体中から漂っている感じがしたからだ。「とりあえずだまずはこの研究者を見つけ出さないとな」「話はここからだぜ」隆太がそう言うと各自ばらばらに分かれて行動を開始する彼らは那智と共に行動をともにしていたであろう研究者の手掛かりを探すために更に校長室のなかのあらゆると言う部分を手がかりを求め探索する。「......」美亜は必死になり部屋中のあちこちを血相をかきながら手掛かりをさがす理人の姿を見ながらどこか悲しそうな表情が....。「おい、美亜大丈夫か?」隆太はその表情を見て彼女に話しかける。彼女のその悲しげな表情で理人を見る顔は尋常ではないと思ったからだ。美亜はさっと校長室から立ち去り周囲にばれないように歩き出す。隆太はそんな彼女と一緒に周囲にばれないように彼女についていく「おい!!チョット!!まてって」「.........」隆太の話も聞かずに彼女はその歩みを止めようともしない。「おい!!どうしたんだよ!!」「......」それでも彼女は何も話さないそして歩き続ける。「おい!!美亜!!何か言ってくれよわからねぇーよ」「......」美亜は涙を流しながらその顔を隆太に見せる「おい...本当に大丈夫か?」「何が大丈夫なの?」「大丈夫じゃないよ?だって」「だって私このままじゃあの人にとってただの「代わり」にしかならないんだよ?」「美亜おまえは..
理人一行はとりあえず市役所に行くことに。隆太は美亜を連れて学校に 理人は校長室の机に二人にあてた置手紙を置いてとりあえず市役所に向かうことにした。 この場所に足を運ぶのはこの世界に転移してきて初めて訪れた時以来の事である。 俺はここからこの世界で歩み始めた。いわばスタート地点。そして仲間たちと共に再びこの場所に足を踏むこととなった。 「ミディール・バソーカという職員がここで働いているはずですが面会は出来ないでしょうか?」と入口の職員の女性(理人がこの市役所で初めて会話した人)に聞いてみたところ。驚くべき返答が待っていた。 「すいません、そのミディールさんなのですが少々こまったことがおきてまして」何かこの人は前にもこのような同じような複雑そうな顔をしていたな「はぁ....で、困った事とは?」理人は前回に引き続き嫌な予感しかしなかった「(ねぇ理人ッち....なんか嫌な予感しかしないよ...?)」 「(しょうがないだろ?この場合聞くしかないよ)」理人は嫌な予感しかしなかったが意を決して聞くことにしたまる 「実はいうとミディールさんは数日前から行方不明となっておりまして...こちらとしても全力で行方を探しておりまして...」ほらこう来たよ...このパターンだ 「どういった事情で面会を希望したのでしょうか?...お聞きしてもいいでしょうか?」理人は行方不明となっている美香の手掛かりを探していたところミディールという存在に行きついたことを職員の女性に伝えると急に女性の対応が変わる事となった。 「てことは貴方様はもしかして那智様のお孫様!?」女性職員は急に取り乱しアタフタと混乱し始める。そしてこの女性は電話機を握りどこかに電話をし始める。 いったい何が起きようとしているんだ.... 「(....理人君なんか尋常ではない事になりつつあるような...)」 「(これは当たりと来るかはずれと来るかわからないぞ...)」 「(逃げる準備したほうがいい?..)」 女性職員が戻ってきたようだ... 「お待たせしました。市長が貴方たちと話がしたいという事ですどうぞこちらへ」 どういう事だ?市長がなぜ俺たちと?いろいろ思う所があるが俺たちはとりあえず市長と会う事にする。ミディールという女性がココにいないのであればその人物をよく知る人物か
「あんたたちは阿久津理人のクラスメイトでしょ?大人しく彼の居場所を教えなさい」 銃を構えながら戦慄した顔つきをして女性は隆太と美亜をにらみつける「人に話を聞く態度かそれが...」「私の失態が彼女を危険にさらせてしまった!!美香ちゃんが行方不明になってしまった...彼女を何とかして見つけ出したいのよ」「だから彼の居場所を教えなさい!!!」 謎の女性はけたたましく二人に怒鳴りつけ再び銃を構える。「ん?....」 美亜が女性の顔を見つめる「ん?.....」 それと同時に女性も美亜の顔を見つめる .................... 双方に長い沈黙の時間が...「おい?どうしたんだ何かおかしいぞ?」 急に二人が見つめ合うと静かな時間が訪れたため何が何だかわからない隆太。「あんたもしかして美亜ちゃん!!!」「ミディールさん!!!!」 美亜は彼女の名前を呼ぶと同時に彼女に飛びつく!!「はぁ?どういうこと」 隆太は何がなんだかわからなかった。ただ明らかな事は両者に誤解があった事それだけは彼は瞬時に理解できた。「この人はミディールさんお婆ちゃんの助手だった人、お婆ちゃんと一緒にいろんなことを研究していた人なんですよ」 美亜は彼女、ミディール・バソーカを隆太に紹介する。 二人はミディールからこれまでの詳細を説明された。「ち...まじかこんなレベルのもんが直撃するなんて聞いてないぜ」「おい!!奏花おまえは先にシェルターに行け!!俺はあいつを迎えに行く」「ちょ!!無理だよここからどれだけ距離あると思ってるの?さすがに無理だよ」「無理でも行くんだよあいつを見捨てろてえーのか!!」 奏花や島の住民が慌てて彼を制止する そんなやり取りをしている彼らの横を爽快に走りばれない様に行動する女性がいた そうその人物こそがミディールである「ごめんなさい、あなたを囮にするようなことをして...」 美香が行方不明となった直後に起きたA級ブリザードあの日、ミディールは美香を救出するために屋敷に足を運び屋敷中を彼女を探したが美香を見つけ出すことができなかった。 ミディールは屋敷の地下に入り美亜が眠っているカプセル型の装置、コールドスリープ装置を確認する。「良かった...彼女は無事ね」 そして彼女はそのまま地下室でブリザードが通過していくのを
あの後、彼らは何のやり取りもなく話す事も無く無言でちりぢりに各自帰宅した何も話す事も無く顔を会わす事も無く無言で。ミディールは一人その場に取り残されその後彼女はどうしたのかは誰も知らない。今回の一件でわかる事。それは今行動しているこの6人は、誰も悪くはないという事だ。ミディールの話でどうひっくり返ってもあのブリザードが直撃した日に何をどうしてもどう行動していても何も変わらなかったことが明らかになってしまったことで完全に一行は心が折れてしまい。何も行動する事も無く1週間が経ってしまった。彼らはこの一週間何も考える事も無くただただ無心で「いつもの日常を」おくっていた。昼間は学校で夜はいつも通り各自自宅で。彼らにとっての普通の日常を過ごした。完全に彼らは諦めの境地へと進んでしまったたとえ彼らが諦めたとしても彼らにとっての日常はいつも通りやってくるのである。その日、理人と美亜は港に二人で釣りに来ていた。「仲いいね~ここ最近よくここに来るけど成果はあるかい?」どうやら最近は二人はよくこの場所に釣りに来ているようである。冷凍ボックスの中には結構な数の魚が入っている。「こりゃたまげたおじさんも負けてはいられないな」そう言って結構な歳の行ってそうなおじさんが勢いよく釣り竿を海に向けてかざし勢いよく針を飛ばす。二人は海の風にあたりながの昼食を食べていた美亜が朝早く起きておにぎりとサンドイッチをを作ってくれた。おにぎりの中身はシンプルに梅干しがはいっている。どこまでもつづく青い海を見ながら二人はおにぎりを食べている。その姿はさながら仲の良いカップルである。「結構な量が釣れたし今日はここまでにして帰るか」二人はキリのいところで切り上げ帰る事にした。何でもない日常が過ぎていく。どうする事も出来ずただただ過ぎていく。皆同じことを思っていた。これじゃ駄目だと。このまま時が過ぎていけば取り返しのつかない事になると。手遅れになると。しかし彼らはどうする事も出来なかった。何をどうしても無駄。もしも何ていう展開など願っても無駄。ミディールの会話から完全に彼らの心の灯を消してしまった。理人は美亜を心の拠り所にしかろうじて正気を保っていた。美亜はそれを理解しているのかそんな彼を受け止めていた。隆太は目の色に精気を失ったような状態で理人から教
どうすればよかったのだろうか?俺はただもう一度ミナの手に触れ顔を見たかった。顔を会わせて話がしたかった。 二人で普通に暮らしたかった。ただそれだけだった。 それなのに........何でこんな事に........ ユウキはミナの顔を一目見るとその場で頭を抱え伏せる どうしてだ。こんなはずではなかった。助けて。せめてミナだけでも。 「ミディールさんこの装置は同じものは他には存在しないのかい?」理人はそう言うとユウキの背中をポン!叩く 「二人の寿命はたしかに現段階では1週間しかない。だけどミナちゃんの身体を普通の状態に維持することでその寿命を普通の人くらいには伸ばすことが出来るかもしれないよ」 「どういう事だ?」理人は今回、調査しに行っていた研究施設の中にあった機材などの説明をする。 理人と隆太が調べた施設の中は大量の食糧だけでなく様々なコンピューターや機材が無傷なまま放置されていた。その中には回復処理を施すこの装置に似たようなものもあったのだ。 「たしかに二人同時に回復処置を施せば理論上では普通に生活できる事はできるかもしれない。だけどどうやってここまであのデカい装置をここまでもってくるの?」 頼みの綱の転送装置は完全にエネルギー切れだ。再び使用するには数時間の重点が必要だ。そもそもあれだけでかい物を転送するのには相当なエネルギーが必要となる。必要なエネルギーを考えると往復2日分のエネルギーが必要だ。そんな時間はもう残されていない「二人の残りの寿命は一週間は確実に保証出来るのかい?ミディールさん」 「それに関してだけど少し工夫すればあと3日ぐらいは伸ばすことができるかもしれないわ」この時ミディールはとんでもないことを言い出し理人たちを困惑させる事となる。 「いまミナちゃんが入っているこの装置にユウキ君も入ってもらい二人同時にこの装置で回復処置を施せばタイムリミットを伸ばせるわ。」「だけど元々この装置はそんな風に出来るように作られてはいない。理論上エネルギーの消費率も上がってしまうからどうしても回復処置の効率も悪くなってしまうからあくまでタイムリミットを伸ばすぐらいしかできない」 「一週間(7日)+3日間これが本当に限界」 「マジすかそんな物理的な方法でどうにかなるもんなんすか?」隆太は半分呆れた表情をみせる
理人さんの遺品の整理がまだ途中の状態である中しかしこのまま行動を止める事も出来ない。作業をいったん中止して私と新田はある人物と合流し情報と意見交換をする事にした。その人物の名は「ミィル・バソーカ」現在は軍の管轄の元で様々な部門の研究者として動いている。若干12才で幼いわりにはかなりのやり手の研究者である。軍内部では少尉の階級についている。いわゆる典型的な天才である。 今回の問題には彼女の協力無くしては話しが進まないのだ。というのもなんだがミィルの母はかつてアイランド計画に関わっていた。彼女がまだ物心つかない頃、車同士の衝突。玉突き事故にあい亡くなってしまった。 その死には様々な憶測がちりばめられ黒いうわさが絶えなかったらしい。その噂の中で一番有力な物が何者かによる暗殺である。当時アイランド計画は相当な資金が回っては流れ流れては消え相当な資金が流出消滅していたらしい。ミィールの母親は研究者として当然その黒い資金に関わっていたかのうせいがある。 私と新田はミィルを理人さんの自宅の住所をスマホのアドレスに教えその近辺で合流し彼の自宅の中で意見交換を交わす事とした。 「そろそろ予定の時間だ」新田は腕時計の針をみながら周囲を警戒する。二人の目の前に少女が無言で現れ突き指を立ててこっちだと誘導すると二人は無言のまま少女についていく。 誘導された場所は小さな何の変哲もない喫茶店。「なぜこの喫茶店へ?理人さんの自宅で話しあうばずだっただろ?」新田は呆れた顔でミィルに問いだす 「あのね?誰が聞いているのかわからないのよ?あの建物の中に盗聴器が仕込まれている可能性だってあるのよ?」何だか大事になって来た。いたって普通な一般人だった理人さんにそのような恐ろしい事になっているなど考えられない。 「なぜ理人さんの家に盗聴器が?」「なぜって?彼があの人の孫だからよ」 「今後の俺たちの行動やら活動するために必要な情報は彼の自宅にあるはずだこの場で話し合うだけではダメだ。それにちゃんと......その...ちゃんと片づけてあげないと...」 新田は言葉を詰まらせながらこまりながらミィールに説得しようとするが... 「新田くん君は彼の家で何をみたの? あまり他人の事情に突っ込まないほうが良いと思うけど。しかも彼は既に亡くなっている。.....と言っていい
ミディールが施した処置によりミナの容態はひとまず安定した。しかし、楽観できる状態とは程遠く。回復処置を行うこの装置から出す事は出来ない状態である。彼女を装置から出せばまた容態が急変してしまう。 彼女の身体は的確な処置を施さなければすぐに死んでしまう状態なのである。そして彼女、ミナの兄、ユウキは自身を素体として自らを捧げミナをホムンクルスとして[蘇生]させた結果、ミナとユウキの寿命は一心同体となってしまった。 「そこまでして....妹の事を思っていたのね....」ユウキから事の発端と今までの経緯を一通り聞いたミディールは漠然とした心境で何とも言えない状況であった。 「でもねこの子は姿かたちはあなたの妹でも全くの別人なの..わかる?」「ちがう、別人なんかじゃない断片的だけどあの頃の記憶が今ここにいるミナにはちゃんとある今ここにいるミナは間違いなく僕の妹だ」 ユウキはミディールの問いかけに反論する 「それは彼女を作ったあなた自身が自分自身を素体とすることであなたの中のミナちゃんの記憶を元に実体化させた...それはただの作り物...」 ミディールは装置の中で眠り続けるミナを見つめるとその目にはジワッと微かだが涙を浮かべる。 ああ...自分は何というものに...開発に関わってしまったのだろうか?ホムンクルスつくりだす装置。生命たるその理論を覆すためにとんでもない過ちをおかしてしまった。この装置の開発には私も関わっていた。私にも責任がある.... この装置は元々は死んだ人間を蘇生させるために作られる「はずであった」装置だ装置の完成には難航した。 死んだ人間を蘇生する事には成功したがその「人」には自我が無く廃人の状態に陥っておりもはや人とは言えない状態となってしまった。蘇生させた人間か発狂欄に陥りその場にいたスタッフが襲われ死亡する事件までもが起きてしまった。これを解決するべく進められたのが蘇生させる人にとって「最も近しい人がもつ記憶」をもった人からその記憶をコピーして蘇生させる人間に入れるという前代未聞の実験が行われた。 そうして試行錯誤を繰り返しながらできたのがホムンクルス生体装置なのである。 「あなたの話によれば装置は完成したと言う風に聞こえるが?」 「話を聞いていれば気づいていると思うけどあなたが『蘇生』させたミナちゃんは遺
なぜだろうか?私はこの人たちを見ていると...何か大切な事を思い出せそうなそんな感覚がしてきた。私のこの体に刻み込まれた記憶、思いだしたい二人。 私は一度死んだ。生きるために死んだ。前の世界での記憶はほとんど残っていない。私を庇って死んだあの二人は誰だったのだろうか?........................------------------------------------------------------------------------------- きぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!ずがぁぁん!!!! 乗用車がいきなり割り込んできた大型トラックに衝突しガードレールに勢いよくぶつかる「おい!!!!しっかりしろ誰が早く救急車を!!!!」ちょうどその場に居合わせ人たちによって乗用車にのっていた親子と思われる3人は救出された 「しっかりしろ!!!もうすぐ救急車がくるぞ!!!」そのごけたたましくサイレンを鳴らしながら救急車が到着した。 「男性の方は脈が低すぎる...早く処置を」 「女性の方は出血がひどすぎる輸血の準備を!!」 「女の子の身元が判明したぞ!!この子はこの二人の娘さんのようだ!!!」その後救急車はちかくの救命救急センターに到着し三人はすぐさま手術室に運ばれた 「女性の名は....か」 「男性の名は.....と」 「おい!!!この戸籍は本当か?」 「先生、彼女は元々、体が弱かったようでそんな手術もちませんよ!!」 「先生、いま検査の結果が出ました彼女の身体には疾患を抑えるためにすでに人口生体が移植されていました!!!しかもガーボンヒューマンからです!!」 「どうするんですか!!これ以上は...」 「やるしかないだろう?この子のご両親のためにも....この子だけでも助けるんだ!!」 「そんな事したら後遺症が一生残りますよ?.....」 「輸血ができないんだしょうがないだろう!!!両親が生きて無事であったなら何とかなったがこれしか方法が無いんだよ」 彼らは必死で何とかしようとした出来る手段はすべてやり尽くした。 「手術は成功した。しかしその影響は大きく彼女の身体は顔と頭部以外の半分がガーボンヒューマンの人口生体となってしまった。」 「先生、それでも彼女は元々....あの子の両親は...」 「言う
体調不良による高熱。意識が混濁。そして以上に速い心拍と脈。血圧の異常な高さ。外的なショックもないのにあざの様なものが体中に現れるこれは----この症状は。あの時の美亜ちゃんと同じ症状。 でもなぜ?彼女はどう見ても人間 ---。 研究所が何者かに侵入されその施設の設備を使用された可能性がある。 人の細胞の一部から採取されたデータを基礎に細胞...DNAの持ち主の形を元にして体を形成し人工的に人の姿に作り上げられた言わば人工人間...それがホムンクルス。 研究所が何者かに侵入されその施設の設備を使用された可能性がある事をミディールは現在の拠点の施設から遠隔操作で発見。これを調べるため理人と隆太はその研究所に調べに行く事となった....のだが... -----------。(ホムンクルス生体研究) ..........。 ミディールはゆっくりと目をつぶり全てを理解した。そして彼女はユウキの前に立ちジ~と見つめかれの肩に手を置くと以上までの冷静な口調で話し出す。 「あなた、この子に何をしたの?怒らないからちゃんと話しなさい。」 ............彼はこの時こう思った駄目だこの人には嘘を付けないと。瞬時に悟った 「私はね?これでも医学だけでなく様々な分野をまたにかける研究者。私には絶対に嘘は通用しない。」 終わりだ。この島にはもういられない。それどころではすまなくなる。彼はガックリとそのばに縮こまるように座り込みガタガタと震えだすまる ミディールは彼のカバンの中を調べるととある書籍を見つけた「ホムンクルス生体制作書」まさかこんなものまで見つけ出すとは。 「僕はあの施設を使って妹をミナを蘇生させた..。こうするしか道は無かった」 「あなた何を考えてるの。これは蘇生ではなくホムンクルスを作る行為。この子はあなたの妹の意識とは全く別の意識が宿る事になる全くの別人なのよ?」 「それでも、ミナに生きてほしかった。僕の隣にいてほしかった」 「この子はあなたの妹ではない!!こんな事をしてあなたの妹さんが悲しむだけ!!この子だって真実を知れば一生苦しむことになる!!あんた!!その重荷を一生抱えて行けるの?」 「ミナにだっていきる権利がある!!!死んでいい命があってたまるか!!!」 「残念だけど...ホムンクルスの研究は完成してい
A級ブリザードが島に直撃して3日が経った日の事である。理人と隆太のいるラボに映像付きの通信でミディールから通信が入った。 「貴方たちのいるラボに転送装置の機体があるはずなんだけどそれと同じものを理人君の家にこの間設置したはずだからそれを使えばすぐにでも屋敷に戻れるはずなんだけど...」 「はぁ?」 何言ってんだこの人はここに閉じこもってからもう3日も立ってんだぞいまさら何言ってんだ? 「流石にいまさらそんな話するのはおかしくないか?今まで何で話さなかった」 さすがの理人も怒りをあらわにしている無理もない。 「ごめん転送装置がそちらにあるのがわかったのはつい今しがたの事なのよ...」 「兄ちゃん確かにあったぜ。あの縦長くて丸みのある物体だろ?」はぁ~まじかよ...この数日間はいったいなんだったんだ... 「でも少々問題があってね....その端末は長い間電源が入ってなくてエネルギーの残量がゼロ。いま電源をつけてチャージーし始めたから十分にエネルギーがたまるまで後1日はかかるは」 「なんでそんな適当なところ所に要所要所に問題を...はぁ...」 「まぁーいいじゃねーか兄ちゃん水も食料も十分あるあと一日くらい問題はないぜ。ミディールさんよ~屋敷にいる美亜と奏花と通信を繋げられるかい?」 「そちらから屋敷にある端末のアドレスを入力すればつながるはずよ。私は転送装置をつかって先にあなたの実家に行かせてもらうわ二人が心配だからね」理人は屋敷にあるパソコン端末のアドレスを入力し通信を繋げる------------------------------------------------------------- 一方その頃。美亜たちは。 「どうしよう38.5℃も熱がある..解熱剤もきらしているしどうすれば...」ミナは一度は体調が回復したと思われたが二日たった頃から。熱が出始め体調が悪化してしまった。顔色が悪く時々せき込み苦しそうである。 「私、水組んでくる美亜ちゃんはこの子を見てて」 「僕も行くよ二人なら多く組んでこれる。すまないミナの事を頼む」二人は分厚い服を着こんで食堂に水を組みに行こうとするプシュン ----。 「ふぅ。到着と。あの子たちは無事かしら」端末が置いてある地下室から出たミディールだが.... 「ひぃぃぃ寒す
神奈川県綾瀬市。何もない地たが自然あふれる何故か懐かしさを感じる土地である。彼らが住んでいた場所でもある。私と新田は彼らの遺品を整理するため理人の住んでいた家に来ていた。 彼、理人さんの死後、彼の遺品の整理を本人の依頼から頼まれていた。 「いいのか?本当に彼の遺品の整理は俺がやるから自分の身の回りの整理をした方が良かったんじゃないのか?」 「彼からの依頼だからね。仕方がないよ」 二人は荷物をダンボールに入れていく。新田は一つの写真立てを目にして手にする。 「もしかして、この子が?」 「そうだ理人さんの妹さんだよ」新田は彼女の写真を見て複雑な気持ちになって来た。 これは......ほとんどが妹に関わる持ち物ではないか.....彼は......彼女との再会のためにどれだけの苦悩と苦しみを味わったのだろうか? 新田は理人と美香のツーショットの写真を見つけた。写真の裏にはこう書いてある。2011年3月10 「この写真は美香ちゃんがグロウベルグシステムを適用する前日に取ったものだろうね」 綺麗な装飾がされた写真立てに入れられている。余程大切にしていたのであろうか?色違いのマグカップが二つ。色違いのゲーム機PSPが二つ。さらに色違いの箸が2セット。どれも大切にほかんされていた。どれもこれもが2つにセットされ色違いの者ばかりである。多分二人が一緒に暮らしていた時に使用していたものであろうか? 箪笥の奥から綺麗な装飾が施された大きな箱が置いてあった。甘夏目はその箱を開けようとするが手が震えて開ける事が出来ない。 「もういい。俺が開ける」そう言うと新田はゆっくりと箱を開けていく 綺麗な白い装飾が施されたドレスが入っていた。間違いなく結婚式に着る品物だ新田はドレスと一緒に小さな箱が置いてある事に気づきその中を確認する。その中には指輪が二つ入っていた。 小さい方の指輪の裏側には小さい字でこう書いてある。『妹へ永遠の愛と共に人生のその最後まで共に生きる事を誓う』 新田は「はぁー」と大きく息を吸った後腰が抜けてその場に倒れこむ その後新田は泣き崩れてしまう。 「彼の顔も知らない君が何でそんなに泣くんだい」 「だってよ....彼の苦しみを考えるとよぉ....本当に愛してたんだな...妹の事」 「彼らの関係は知っていたけど
A級ブリザードそれは時として多くの人の命を落とす恐ろしい災害。人工物を凍らせ破壊しそして人の命を脅かす。 ユウキとミナが屋敷に滞在してからすでに3日が過ぎたが一向に収まる気配がしない 理人と隆太は無事なのか?美亜と奏花は心配でたまらなかった。「ざーーーざーー!!」 奏花はラジオを付けたがノイズの音しか聞こえない。この様な状態ならば電波が届くはずがない。 美亜は暖炉の薪を追加していく。とにかく暖炉の火が消えないようにしないといけない。ミナの体調の事も問題もあるため暖の問題には特に油断が出来ない状況である。 「すまない僕たちのためにいろいろと迷惑をかける」「気にしないでください困ったときはお互い様ですよ」 美亜はユウキとミナの境遇に何故か親近感がわいていた。なぜか二人を放っておくことが出来なかった。 「理人君だっけ?君の大切な人なんだよね?こんな時に何だけど本当に無事だといいんだけど...」 「あの人ならきっと無事ですよ!建物の中に避難しているはずですから。きっとユウキさんともいい友達になってくれると思いますよ。」二人は何気ない会話をしながらこう思った『ああ、やはり自分たちと何か似ているな』と 「この吹雪がやんだらとりあえず実家に戻るつもりだ。」 「その話何ですけど。あのですね、もしよければあの人が帰って来るまでここにいると言うのはダメですか?」「でもこれ以上迷惑かけるわけには...」ユウキはこれ以上迷惑をかけるわけにはいけないと思ったがせめてこの吹雪がやむまでは致し方ないと思っていた。 しかし彼女のその優しさは凄くありがたかった。両親を早く無くしずっと妹のためだけに生きて来た。ここまで人から優しくされたのは生まれて初めてとさえ思えてしまえるほどであった。 「くーくー..」 「すうーすぅー..」奏花とミナは寝息をたてながら寝ている。 「こいつ...友達が欲しかったんだろうなきっと...」 「もう友達ですよ...私たちは...」 「ありがとう、本当にありがとう」 ユウキはホロっと目から涙が流れ始めた自分がしてしまった行為は人として一線を越えてはならない事だ。 どんなに尊い存在で大切な存在であったとしても一度死を迎えた命を簡単に蘇生させるなどという行為は許されない道徳では無いのか?彼の心を重く締め付け
吹雪のため、破棄された施設の中に避難した理人と隆太はそのまま足止めを食らう形となってしまった。 「どうだ?何とかなりそうか?」 「いまこの施設内の電力系統にアクセスしているうまくいけば施設内のシステムを回復できるはずだ」理人は施設内のPC端末を操作してシステムを回復できないか試しているようである。 「電力操作....システム系統...供給維持...アクセス系統異常なし...後はオンラインモードに移行..電圧固定異常なしこれで行けるはず」 「マジで頼む死にたくない」すると施設内部が明るい光が灯されていく。 「た、助かったのか?」 「うん、上手くいったよこれで凍死だけは免れるよ」 「縁起の悪いことは言わないでくれよ兄ちゃん」隆太は不意に苦笑いをしてその場をごまかそうとする「何か食えるもん無いか探しに行かないか?さっき食堂みたいなところがあったのを見たぜ」 二人は食堂らしい部屋に入ると複数のテーブルと奥においてある大きな冷蔵庫を複数個目にする。確かにここは食堂だったようだ。しかし空腹を満たせなければまったく意味がない。二人は手分けして食べられそうなものを探す事にする。 理人は冷蔵庫の中から封が明かされていない完全に密封された食料を見つけた。「これ..レーションかしかも結構な数があるぞ」 一方隆太はレトルトのような食料を見つけた。「レトルトのスープか...でも火が使えなきゃ意味ないぞ」 さらに.....「1分でキープ。ウォーターゼリー。飲み水にもなりそうだな」 とりあえず二人は飢えだけは凌げそうである。 二人はとりあえずレーションを食べる事にする。「これお菓子みたいだな」 「災害などが起きた時の非常食として作られたんだよこれは。まぁ今の状況にはぴったりじゃないか?」「食えるだけマシってわけだ」 ムシゃ!!ムシャ!!.....ごくり!!........「お菓子だなこれは....まあ不味くはないぜ」 「んじゃ俺はこっちのほうを.....」理人はウォーターゼリーを口にして飲みだす ごく..ごく....「昔これと似たよなもの飲んだことがある...朝にのむやつ...とりあえずこれで喉はうるおせるかな?」 何とか空腹を満たすことができた二人だが。吹雪が落ち着くまではこの建物から出る事は出来ない。二人はもうしば